アレフ・レポートNo.4
ダイアナ暗殺事件の謎を解く
Oh please stay by us, Diana!

第3部 ダイアナと英国の背後にあるもの


1.アルファイドVSローランド

これはドディ・アルファイド。昔は「ファイド」だった。 ドディ・アルファイドの父モハメド・アルファイドは、エジプトでもずば抜けた資金力を持つビジネスマンで、イギリスに30年間住み続けている人物である(しかし彼はいまだにイギリス・パスポートを交付されていない)。

 彼がダイアナのスペンサー家と知り合うようになったのは、イギリス王室に対する共通の戦いを通してであった。

 1990年初頭、モハメド・アルファイドはティニー・ローランドと対立関係にあった。ローランドはロンロー社の元会長であり、アルファイドはフレイザー社の所有権をめぐって彼と対立していた(フレイザー社はハローズ・デパートで有名な会社である)。

 ローランドは長い間、民間の「特別空軍サービス」(SAS:アフリカに本部を置いてはいるが、ロンドンの支配を受けている傭兵機関)とつながりを持っていた。このSASはイギリス組織とイギリス王室の支配を受けており、これまで「礼儀をわきまえた」殺し屋の役割を果たしてきた。

 昨年、ローランドの名は1986年2月28日に起こったスウェーデンのオロフ・パルメ首相暗殺との関係で浮上した。この暗殺は現在、ロンロー社とつながりを持つ南アフリカの暗殺者によって行われたと考えられている。

 ティニー・ローランドとロンロー社は、イギリス組織の裏の実力者であった。それと対立するアルファイド一族は、英国王室派にとっての大きな敵の一つだったのである。しかも、それが王室批判の一翼を担うダイアナと結びつくとあっては、看過できなかっただろう。

 殺されたドディについては、このような記事もある。おそらく、このような「英国王室にアラブの血が絡むのは許せない」とするために暗殺されたとする解釈が一般的なのかも知れない。

「被差別感情」が噴出

    エジプト 衝撃の陰、暗殺説も

    読売新聞97年9月1日朝刊
 8月31日起きたダイアナ元英皇太子妃(36)の死亡事故は、新たな交際相手とされていたドディ・アルファイドさん(41)(同乗中死亡)がエジプト人であっただけに、当地でも新聞各紙は一面トップで伝えている。

 しかし衝撃の陰で、「ダイアナさんは、イスラム教徒との結婚を嫌った英諜報機関に暗殺された」といった見方が出るなど、事故を機に、アラブ人の欧米に対する「被差別感情」が改めて吹き出している。

 1日付の政府系最有力紙アル・アハラムはロンドン発特電で、事故後、ドディさんの家族に、名前を出して弔意を表した英政府高官はまだ一人もいないと報じ、「英国民の関心事はダイアナさんだけで、ドディさんは無視されている」と不満を交えながら伝えた。

 ダイアナ「暗殺」説は、同紙の著名コラムニスト、マンスール氏が書いた。同氏は「王室を救おうとした英諜報機関の手で暗殺された」と断じ、「英王室は、二人の結婚で生まれるであろうイスラム教徒の子供が、未来の国王(ウィリアム王子)の兄弟になることに耐えられなかった」ことを論拠としている。

 エジプトは第一次大戦を契機に、一九五一年まで英国の保護国だった。

 エジプト国民には、自国民が、自分たちを支配していた英国の未来の国王の“父”(義父)となることで、精神的な隷属からも解放されるという期待があったようだ。

 この記事に書かれた、「エジプトと英国の歴史的感情」はそのとおりだろう。しかし、英諜報機関が動いたとして、その背景には単なる民族感情だけではなく、[英国王室+ロンロー社]VS[ダイアナ+アルファイド]という構図があったことを見逃してはならないのである。


2,クラブ・オヴ・ジ・アイルズの影

 いや、ダイアナとアルファイドが戦いを挑んでいたのは、単に英国一国ではなかった。問題は、このウィンザー家が「クラブ・オヴ・ジ・アイルズ」の中枢をなしているということである。

 クラブ・オヴ・ジ・アイルズ(Club of the Isles)。いまも欧州で大きな力を有する王侯貴族のネットワークである。その議長格ともいうべき人物が、エリザベス二世女王の夫、フィリップ殿下だ。ダイアナがウィンザー家に対抗するということは、すなわち、クラブ・オヴ・ジ・アイルズを敵に回したということになる。

◇エディンバラ公フィリップ

 エディンバラ公フィリップの経歴も複雑だが、この血こそ各国王室を結びつけるものともいえる。

 まず、四代前がヴィクトリア女王。 ヴィクトリア女王から見て、フィリップとエリザベス2世はともに4代の子孫ということになる。

 その次女、アリス・モード・メアリーはヘッセ大公ルイスと結婚した。

 その長女、ヴィクトリア・アルバータ・エリザベスは、ドイツ系のバッテンベルク家プリンス・ルードヴィヒ・アレクサンダー(英名ルイス)と結婚している。バッテンベルクは後に英語風にマウントバッテンとなった。

 その娘、バッテンベルク公女ヴィクトリア・アリス・エリザベスは、デンマーク&ギリシャ王ゲオルギオス一世の王子アンドレアス(アンドリュー)と結婚した。この息子がエディンバラ公フィリップである。

 これだけでもイギリス・ドイツ・デンマーク・ギリシャが登場するが、この血縁関係はもちろんスウェーデン、オランダ、ベルギーや、ロシアのロマノフ家、オーストリアのハプスブルク家などとも密接な関係を持っていることは言うまでもない。そして、彼ら王侯貴族はヨーロッパにおいて隠然たる勢力を有しているのである。

 事態は、単にイギリス王家あるいはイギリス一国にとどまらない。ダイアナは全欧州のエスタブリッシュメントを敵に回してしまったのだ。

 ボスニア内戦・アンゴラ内戦の犠牲者を救おうというダイアナの努力は、その義理の父フィリップ殿下の「人口過剰を解決するために、自分は危険なウィルスになりたい」という公然たる主張に真っ正面から反対しているのだ。

 さらに忘れてはならないのは、ダイアナがあの世界的大商人、ロスチャイルド家と血縁であるという事実だ。ダイアナの母方は、みごとにロンドン・ロスチャイルド一族と結びつくのである。以下の系図を見てほしい。下に行くほど古くなる。

Diana and Phillip and Rothchild

 ダイアナとロスチャイルドをつなぐラインには、世界に向けて新聞記事を発信している「ロイター通信」その他影響力の大きなマスコミ支配者たちが連綿と連なっている。すなわち、ダイアナたちは世界を動かす巨大勢力の一つをまともに敵にしてしまったのだ。



 だが、ここで単純に「犯人はクラブ・オヴ・ジ・アイルズだ」と言い切ってしまうわけにはいかない。国際情勢を冷静に見るならば、実はこのダイアナ暗殺事件を契機に、英国とクラブ・オヴ・ジ・アイルズを窮地に追いやっている「もう一つの敵」の存在が明らかになってくる。
 その名は「アメリカ」……。


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