
97年8月31日、パリのアルマ・トンネルでダイアナ元皇太子妃の乗った車が13番目の柱に衝突する数秒前に、目をくらませるほどの閃光を目撃した人々がいた。
果たして、この閃光は何だったのだろうか。
9月9日、AP通信とのインタビューで、アルファイド家の弁護士バーナード・ダートベルは、「メルセデス車の前方の車両から衝突の数秒前に撮影された二枚の写真」について述べている。
この写真で、ドライバーのアンリ・ポールは、あまりにも明るい光で目が見えなくなり、両手を目の前にかかげている。ボディーガードのトレバー・リース・ジョーンズは、助手席上部の日よけ板を降ろしているところで、後部座席にいるダイアナ妃は後ろを振り返り、車のすぐ後についているバイクのヘッドライトを見ていた。
これらの写真は、衝突事故を調査しているパリ警察からダートベルが見せられたものだ。これらの写真は、明らかに「パパラッチ」と呼ばれた写真家から押収されたものである。
さらに、日本ではほとんど報道されていない事実として、柱との衝突直前に、ダイアナの車とぶつかって、現場を高速で逃げ去った白いフィアット・ウノ車の存在が明らかになっている。閃光を放ったのはこの車だろうか。
この「先行車からの閃光」――すなわちレーザー光線――がドライバーの視力を奪い、事故を起こさせた可能性がある。だが、それが可能となるためには、次の4つの条件が必要だ。
暗闇では「注意反射作用」というものがある。可視光線の閃光が暗闇に走った場合、その方向を思わず見てしまうのだ。闇夜の稲妻を思い出してほしい。最初に、可視光線を放てば、無意識にドライバーはその方向を見ることだろう。
そこで次にもっと強いパルスを放てば、効果的に視力が失われる。目は、入ってきた光を10万倍に増幅して感知しているので、ほかの体内組織には何の影響も与えないような定エネルギーのレーザー光線であっても、網膜には苦痛などを簡単に与えることができる。
では、光線の強度はどうだろうか。ここで考慮しなければならないのは、レーザー光線その他の発光装置は、日光と違って、常時光を放っているのではなく、断続的に(パルスとして)光を放っているということだ。
パルス光に対する「目に安全な」露出レベルは、日光のような連続光に対するものとは違っている。光によって角膜や網膜がダメージを受けるとすれば、それはやけどなのだが、それは光の強度や露出時間、あるいは光の種類によっても違ってくるのだ。
たとえば、「UVカット化粧品」などでおなじみの紫外線(UV)の場合は日焼け、可視光線・赤外線(IR)の場合には熱やけどとなる。
0.001ジュール/平方センチ(パルスのパワーは105ワット/平方センチ)
0.01マイクロ秒
のレーザー光パルスは、波長が紫外線から遠赤外線の間にあれば、網膜(と、たぶん角膜も)を激しくやけどさせ、網膜の傷が治癒するまで盲目状態にする。
やけどを起こすことのできる紫外線から赤外線の間のレーザー光線に限定してみよう。それならば、最適なのは1.06mmのNd:YAGレーザーだ。それは高性能レーザーで、比較的高い強度で利用可能である。
中程度のパワーのNd:YAGレーザーなら、次の性能に注目したい。
レーザー光線の方向付けは、潜望鏡のような鏡を使ったシステムで可能である。たとえば、車の後部座席から後部の窓を通して、またはトランクの穴からターゲットを狙うことができる。この「光学装置セット」の可動鏡またはレンズは、レーザー光線のポイントを絞ったり、走査するのに使われる。
レーザー光線が50メートル(164フィート)の距離から目標に向けられた場合、光線の直径は5mmから50m×5millirad、つまり25cm(10インチ)に増大する。それは人間の頭ほどのサイズだ。
高速で走る車のドライバーの頭をねらって確実にレーザー光線を照射させようと思えば、レーザー光線はドライバーの頭の二倍から三倍に拡大できる。もしレーザー光線が長さ50cm(車の前面ガラスの高さ)幅1cmくらいの長方形になるなら、さらによい。
出力光線を形成するために、レーザー機器が発する光線のファクターは、直径25cmから13cm(5インチ)になり、次に長方形になり、焦点を合わせる。レンズと鏡のセットで、簡単にこの手順を踏むことが可能だ。
光線の出口は幅13cm以上なければならない。100ヘルツのパルスが生成されるので、長方形のレーザー・スポットは、0.01秒ごとに1cm、または一秒ごとに100cm(毎秒3.3フィート) 目標の車の前面ウインドウを確実に照射しながら移動する。実際には、走査率はこれよりもゆっくりである可能性がある。
結果的に、目標の車のドライバーは、光線が走査するときには複数のレーザー・パルスを受け取るかもしれない。リアルタイムの遠赤外線カメラが、走査の観察とレーザーの的を絞るのを助けるために使われる可能性がある。
このように、ターゲットを絞ることも技術的に可能なのである。
光線の強さは単純に、レーザー・パルスのエネルギーを、照射スポットの面積で割ると求められる。50cm×1cmの照射面積は50平方センチになる。したがって、平均1ジュールの強さのレーザー・パルスは、50で割って0.02ジュール/平方センチとなる。これは人間の目をやけどさせるのに必要な0.01msecパルスの20倍になる。
もちろん、このパルス幅のレーザーは流通している。
これで、最初に提示した4条件はすべて満たされたことになる。つまり、移動中の車のドライバーを、先行する車からレーザーを使って能力を奪うことは実行可能なのだ。このようなシステムをオーダーしたら、費用はわずか1千万円であろう。
しかし、このようなレーザー装置を活用するとしたら、何者だろうか。
それは、イギリスかフランスである。
「眩光機(dazers)」その他の「高性能携帯型視覚無力化レーザー兵器(highly mobile blinding lasers)」について警告した1993年の赤十字国際委員会によるレポートがある。これによると、このような宇宙時代の兵器開発・装備を実施している二大機関は、まさにイギリスとフランスの諜報機関なのである。両国は、兵器使用規制を無視して、この兵器をバルカン半島・アフリカ・ペルシア湾岸で使用してきた。
1994年10月には、連邦航空管理局(FAA、Federal Aviation Administration)が新聞発表を行なった。陸上、海上、航空、および宇宙運行産業安全グループである自動推進技術者協会(Society of Automotive Engineers)が、飛行機のパイロットの目を見えなくした二度の危険な事件を受けて、屋外レーザー光線の使用についての安全基準を提出するための調査委員会をつくったというのである。
FAAが最初に注目した事件は、1993年ラスベガス空港でサウスウエスト・エアラインズの商用便が離陸するときに発生した。ラスベガス・リオ・ホテル屋上の12Wのアルゴン・レーザーを偶然パイロットと補助パイロットが二人とも見てしまい、パイロットは5秒から10秒間完全に目が見えなくなり、次の10分間は視力が減退した。
1994年にも似たような事件が発生した。ミシシッピのビロッキシを飛行中のC-130軍用輸送機の飛行機関士が、パレス・カシノで二本の15Wレーザー光線に曝された。光源から3.5マイルの距離があり、700フィートの高度差があったにもかかわらず、飛行機関士は一分以上の間、完全に目が見えなくなった。
また、1988年にドイツのラムスタイン航空ショーで起きた二機のスタント用飛行機の空中衝突も、携帯レーザー機器が複数飛行機によるアクロバット的フォーメーションの演習中にパイロットの目を見えなくしたことが原因である。
このように、レーザー兵器は運転手の視力を奪い、事故を起こすことが可能である。ダイアナとアルファイドの命を奪ったのも、おそらくはこのタイプの兵器であっただろうと推測してよさそうだ。
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